王子様とハナコさんと鼓星
「ゲンマやっと来たな。後でご飯あげるから待ってろよ」
空になった器に料理を盛り付けると何かを思い出したか「あ」と声をあげた。
「そうだ。これから華子が料理とか掃除とかしてくれるつもりなんだよね?」
「はい。ご迷惑でなければ…」
「全然いいよ。インテリアとかも好きに変えてもいいから。あと、夜はパーティーとか顧客の接待に会議やトラブルがあると食べられない事がある。帰りが遅くなる日は早めに連絡するね」
「わかりました」
「あと、朝はあまり食べないタイプだったんだけど、もし作ってくれるのならパンよりはご飯の方が好きかもしれないな」
「は、はい!私もご飯が好きです。あと何か好きな食べ物とかありますか?今後の参考に教えてください」
「和食は好きだね。あと、中華とか辛い物は好きかも。あ、でも、カレーは甘い方が良いな。あと、アボカドが好き」
意外だと思った。和食は凛太朗さんらしいけど、中華とかカレーは甘口がいいとか。
なんか子供みたいで可愛いかも。
「華子は何が好き?甘いもの以外でね」
「そうですね、甘いもの以外だと…パスタとか好きです。香草系の食べ物とか。ちなみに私もカレーは甘口派です」
そう言うと箸を止めて笑う。
「はは、それなら明日はカレーがいいな」
「は、はい!頑張ります」
その後、お互いの好きなものについて話しながらご飯を食べた。初めて知る事や初めて話す事は新鮮で時間を忘れずっと話していた。