王子様とハナコさんと鼓星


和やかな雰囲気での食事を終え、2人で片づけも終わらせた。

時計は夜の22時頃を指していて、凛太朗さんがお風呂の準備を整えると先に入るように促されてしまい、悪いと思いつつもお言葉に甘える事に。


部屋から着替えを持って脱衣場で服を脱ぐ。頭から身体、顔と全部を洗ってから湯船に浸かった。

(気持ちいいな…)

ちょうどいい温度のお湯で1日の疲れが癒されていく。

30分ほどの時間を掛けてお風呂を済ませ、身なりを整えて髪の毛を乾かしてからお風呂を出た。

眠る時用の部屋着に着替えてリビングに戻れば凛太朗さんはゲンマを撫でながらテレビを見ていた。

お笑い芸人の人気のバラエティ番組。少し意外かも。そう思い近寄るとゲンマと凛太朗さんが同時に振り向いた。


「お風呂あがりました」

「うん。立ってないで座ったら?」

「はい。あ、飲み物持って来ますね」

一度キッチンに戻り、寮母さんに抱いたマグカップにノンカフェインのお茶を注いでテーブルに置き腰を下ろす。


「ありがとう」

「いえ。お笑い番組なんて見るんですね。ニュースとか情報番組が好きなイメージでした」


「結構好きなんだよね。何かみたい番組がある?」

「いえ。落ち着いてますね、ゲンマ」

細長い指で撫でられ気持ちよさそうに目を細めている。
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