王子様とハナコさんと鼓星
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「では、本日のミーティングは以上です。今日もよろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
翌朝、いつも通りの朝礼を終えミーティング室を出て倉庫に向かう。
昨日、凛太朗さんに言われた事を色々と考えていると目が冴えてしまい、結局夜中の2時頃まで眠れなかった。
そのせいで、目覚ましをいつもより早くセットして朝ごはんを作ろうと気合を入れていたのに…私が目覚めた時には既に凛太朗さんは起きていてご飯を作ってくれていた。
居た堪れない気持ちで、明日は必ず!と、宣言すれば「俺が夜に意識させるような事を言ったから眠れなかった?」と返されてしまい、恥ずかしい事この上ない気持ちでいっぱいだった。
「はぁっ…初っ端からこれはダメだよね」
倉庫に入り台車に用具を乗せる。今日は週に数回のワックスを掛けもする日。指定の洗剤を乗せて倉庫を出ると、志田さんが倉庫に入ってきた。
「あ…これ、どうぞ」
「どうも。私は上からいくから」
台車を受け取り、目も合わせないで去っていく。その背中に大きなため息が出る。
あの日、凛太朗さんと志田さん達の事があってから今だに目を合わせず口も聞いてくれない。
それだけでなく、客室清掃部の人は志田さんをチヤホヤしなくなった。手の平を返したように無視をする人もいる。
ここ数日は休みが飛び石で重なっていて、凛太朗さんとの事で頭がいっぱいで分からなかったけど…あからさまに志田さんは仲間外れにされていた。