王子様とハナコさんと鼓星



その後、ご飯を食べ片付けを手伝うと言う彼の申し入れを断り先にお風呂に入ってもらった。


その間に片付けと明日の朝ごはんの下ごしらえにキッチンの掃除を終える。ソファーでテレビを見ていると凛太朗さんがお風呂から戻って来た。


「お風呂ありがとう」

「いえ。何か飲みますか?」

「水でも飲もうかな」

冷蔵庫からミネラルウォーターを取りソファーで寛ぐ凛太朗さんに渡してから隣に腰掛ける。

「そう言えば、今日の朝に支配人から新婚生活どうですか?なんて聞かれたよ」


ペットボトルの蓋を開け、一口飲み背もたれに手を乗せて言う。ふわりと香るシャンプーのいい香りにドキドキしながら凛太朗さんをみた。


「それ、私も聞かれました。凛太朗さんが楽しいって言っていて新婚当初を思い出したとか」


「ははっ。華子にも聞いて来たのか」

「はい」

「そっか。他の事は聞いてないの?楽しいって言っただけじゃないんだけど」

背もたれの手をおろし、私の手をぎゅうと握りしめる。

凛太朗さんのお決まりのパターンだ。いつも、こうやって彼は自然に触って来る。
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