王子様とハナコさんと鼓星
「悔しからひたすら口説いてかかった。姿を見れば口説いてたな。桜は俺がどれだけ本気だったのか分からない。先入観で拒否してたんだ。だからって言うのもおかしいけど、聞いて見てから決めればいいだろ」
「は、はい。そう、ですね…」
確かに、一ノ瀬くんは正しい。もう一度、聞いてみるべきか。スイートルームの事もなんとかしないといけないし。
「でも、奏多。華子は元彼の事もあるから怖いのもあるんだよ」
「少なくとも、あの人は華子さんの元彼と同じことはしないと思うけど。そんなの、話していて分かることだろ」
「そう、だね。優しくて、スマート。でも、男性と思うと怖いって思うことはある」
「俺はこわいの?」
「全然。慣れたからかな?桜の彼氏だし」
「なら、社長にも慣れなよ。色男だって、美人と同じで3日経てば慣れるだろ」
「は、はは」
慣れません。なんて、言えない。社長はいつみても王子様のようにキラキラして見えるもん。
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