優しいさよなら


近くになる。

高山くんがわたしのそばにいる。

最初から取り敢えずでもなく、淋しさを埋めるためだけの存在でもなかった。



嬉しくて、嬉しくて、


「大好き」



優しい拘束の中で思わず呟いた。





「オレのお陰やなー、オレ、いい仕事したなー」


翌日出勤すると佐橋のニヤニヤ顔に出迎えられた。


「ほれ、高村、『ありがとうございます、佐橋さま』は?敬え、拝め、神様って呼んでええぞ」


なんか、めんどくさいヤツに借りを作ってしまった。


「・・・神様ね。そんなご立派な方にわたしごときがお礼にナースのお友達との合コン設定しようなんておこがましがったわ。さいなら」


佐橋を置き去りにして今日の予定の外回りに出かけるために足取りも軽く歩き出した。


「高村さま〜」


後ろで叫ぶ佐橋を置いてけぼりにして。


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