元社長令嬢は御曹司の家政婦
ほしいものは、何でも買ってもらえた。
手に入らないものなんて何もなかった。

お嬢様女子大学を卒業して二年、今までまともに働くどころかアルバイトさえしたことない。だって、お嬢様の私にそんなこと必要ないでしょ?

パパの会社の名ばかり社員として気楽に生きてきたのに、突然貧乏人として生きていけなんて無理に決まってる!


「お家は一ヶ月後に売ることになっちゃったのよ。
私とパパは少しだけ残ったお金を元手に、外国で一から新しくやり直すことにしたの」

「え!?わ、私は?
住む家もなくなって、パパたちもいなくなったら、私はどうすればいいの?」

「これからは自分で働いて、自分で生活していくんだよ」

「な、によそれ。会社を潰したあげく、私を置いて、自分たちは海外逃亡!?いくらなんでも無責任すぎるでしょ!!」


経営を破綻させたあげく、私を放置して自分たちだけで外国でやり直す?それはちょっと、親として無責任すぎるんじゃないの?

私の快適お嬢様生活を返して!

私が悲痛な叫び声をあげると、パパもママも可哀想なものでも見るような目で私を見た。





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