元社長令嬢は御曹司の家政婦
「私が君を助ける義理なんて一切ないが、私の父は君の父親に若い頃多大な恩義を受けている。父は利己的で貪欲な人間だが、受けた恩はきっちり返す主義だ。そして私はまだ立場的に父に逆らえない。
従って、君の父に君を託された私は、君を雇用するか、もしくは私的パートナーとするしかないわけだ。性格は大いに問題アリだが、幸い君はどこに連れ歩いても恥ずかしくない外見だし育ちも悪くない。特にパートナーのいない私としては、別に君が配偶者でも問題はない」
今まで通り、あくまで淡々と。
まるで業務事項でも話すかのような口ぶりに心底呆れた。何それ......、自分の一生のパートナーを決めるって時なのに全然興味なさそうな......、これじゃ本当にロボットじゃない。
「どちらの選択肢もお断りよ!
私の価値が分からない会社に無理してまで雇ってもらわなくて結構」
「へぇ......。
では、二つ目はどうして?君にとっても悪くない条件だと思うけど?
少し話した上での私見だから間違っていたら申し訳ないが、君は恐ろしく利己的な人間だ。私と結婚すれば、今までと変わりなく何不自由ない生活ができる。君にとって、メリットしかない話だ」
毅然と言い返すと、九条秋人は不思議そうな顔をする。
情のカケラも感じられない淡々とした話し方、冷たい表情、やっぱりこの男は好きになれない。
従って、君の父に君を託された私は、君を雇用するか、もしくは私的パートナーとするしかないわけだ。性格は大いに問題アリだが、幸い君はどこに連れ歩いても恥ずかしくない外見だし育ちも悪くない。特にパートナーのいない私としては、別に君が配偶者でも問題はない」
今まで通り、あくまで淡々と。
まるで業務事項でも話すかのような口ぶりに心底呆れた。何それ......、自分の一生のパートナーを決めるって時なのに全然興味なさそうな......、これじゃ本当にロボットじゃない。
「どちらの選択肢もお断りよ!
私の価値が分からない会社に無理してまで雇ってもらわなくて結構」
「へぇ......。
では、二つ目はどうして?君にとっても悪くない条件だと思うけど?
少し話した上での私見だから間違っていたら申し訳ないが、君は恐ろしく利己的な人間だ。私と結婚すれば、今までと変わりなく何不自由ない生活ができる。君にとって、メリットしかない話だ」
毅然と言い返すと、九条秋人は不思議そうな顔をする。
情のカケラも感じられない淡々とした話し方、冷たい表情、やっぱりこの男は好きになれない。