元社長令嬢は御曹司の家政婦
それから数日がたったある日。
急にあつくなったからか、昨日から体調を崩してしまったみたいで、朝からベッドで寝込んでいた。

 
「何?トイレの砂ならキレイにしてあるし、エサなら食器に用意してあるでしょ?体調が悪いの、悪いけどそっとしておいて......」
 

構ってほしいとでもいうように、何度か猫が寝ている私にちょっかいを出しにきたけど、そのたび布団をすっぽりとかぶってガードする。寂しそうににゃ~んと鳴いて去っていく猫には心が痛んだけど、なるべくならベッドから動きたくない。

秋人が帰ってくるまでは、我慢してもらわないと......。


猫には悪いと思いながらも、どうしても起きているのがしんどくてそのまま眠りにつくと、それから何時間たったのか。

げぇっげぇっと何かを吐くような音で目がさめる。

え!?なに......?

その音に驚いて、重い体を引きずり音がしたリビングの方にはっていく。そこで見た光景が信じられなくて、私は目を見開いたまま固まってしまった。

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