Dangerous boy
無理もない。

5~6枚ならまだしも、63枚もミスプリントって……

「仕方ないな。裏紙に使って、メモ用紙にするか。」

高藤部長が、ミスしたプリントをガバッと掴む。

「私も少し、貰おうかな。」

環奈も、そう言ってくれた。


私は部長に、手を差し出した。

「あの……せめて、メモ用紙の大きさに切るの、私にやらせて下さい。」

まさか、自分がミスった分、全部部長に処理させる事なんて、できないよ。

「あっ、じゃあ私と心が……」

環奈が、手を挙げてくれた。

本当、環奈っていい人だ。


「ああ、いい。高杉は自分の仕事に戻れ。俺と倉本でやる。」

「でも……」

「いいから。」

高藤部長が、環奈を威圧する。

「はーい……」

何かを感じ取ったのか、環奈は自分の席に、戻って行った。


「さて、倉本。あのスペース、使わせて貰おうか。」

そこはお客様が来た時に使う、簡易の応接室みたいな場所。
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