Dangerous boy
【分かった。8時くらいに来れる?】

8時?

私は一瞬迷った。

定時は6時だから、2時間も待つのか。


【お店、忙しいの?週末だから、予約でいっぱいとか。】

【そうだけど、心は特別。】


”心は特別”

また、胸がドキンって波打つ。


【俺の前の席が、8時にならないと空かないんだ。】

尚太君の前の席?

今度は手が震えてくる。

馬鹿みたいに、期待してしまう。

尚太君は、私と会いたいんだって。


【うん。分かった。8時に行く。】

【気を付けて来て。】

そこで尚太君とのLineは終わった。

上手く、呼吸ができない。

会って一週間しか経っていないって言うのに、私尚太君の言葉、一つ一つに、心が揺さぶられている。


8時までの時間は、残業して時間を潰そう。

私はスマートフォンを握りしめ、尚太君の事ばかり考えていた。
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