Dangerous boy
2時間ほどして、私達はお会計を済ませ、お店の外に出た。

お会計は本当に、部長が奢ってくれた。

「ご馳走様でした。」

私は部長に頭を下げると、そのまま帰ろうとした。


「倉本。」

「はい?」

振り返った私に、部長はてっきり”気を付けて帰れよ”とでも、言うのかと思っていた。

「まだ、時間あるか?」

「は、はい……」

「もう一杯、どこかで飲んでいかないか?」

それはあまりにも、スマートな誘い方だった。


友達同士や同期達と飲みに行った、二軒目の誘いとは、全く違う。

「はい。」

素直にそう言えた。

明日はお休みだし、少し遅くなってもいいよね。


私は再び部長の側に行き、二人で近くのお店に向かって、歩き出した。

その店は、飲食店が数多く入るビルの、2階にあった。

お店の名前は”sunset”

どこにでもありそうな、カウンターバーのお店だった。


「来たことある?」
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