Dangerous boy
しばらくして、尚太君に帰るねと挨拶し、店を出た。

お店の前の階段を、一気に駆け下りると、そこには尚太君の幼馴染みだと言う優花さんが、立っていた。

「すみません。」

「はい。」

優花さんは私を見ると、勢いよく近づいてきた。

「少し、お話いいですか?」

嫌な予感はするけれど、ここで断るのもおかしい。

「ええ。いいですよ。」


そして移動した場所は、階段の下だった。

随分目につくところで、話をするものだと思った。


「お姉さん、名前は?」

オバサンからお姉さんに昇格したのかと、ほっとしたのもつかの間、優花さんは明らかに、私に敵対心むき出しだ。

「倉本と言います。」

「倉本さん。いくつ?」

「……23です。」

「OLさん?」

「ええ、まあ……」

質問しながら、私の上から下まで舐めるように見て、はっきり言って居心地が悪かった。


「はっきり言いますけど、尚太には近づかないで下さい。」
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