東の空の星は、見た
――――――ねえ、かあさん。

 ぼく、おおきくなったら、おほしさまにいきたいな。

 だって、あんなにきれいだもん。





 少年は、気づかない。

 星が、ぎらりと輝いて、少年に近づく。

 眩しいほどの閃光が、夜空に走る。


 静かに 静かに

 澄んだ空が 粉々に割れる。


 一瞬の轟き。 一瞬の鋭い、白。


 ガラスのように あっというまに

 破片は、 少年に近づいて   小さな体に、深く突き刺さる。


 恐ろしい、呻き声。


 あっという間で、 何が起こったのか、気づかない。

 少年は、声もなく 地に倒れる。


 閃光は一瞬で 

 その一瞬、少年は、自分が星にやってきたような気がした。

 まっくらだった周りの景色が いっきに 明るくつつまれたから。


 痛い。

 そう思ったか 思わなかったか。
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