年上のアナタと大人の恋ができたなら

その後もしばらく色々な会社の人と話をしたのち
ちょっとひと休みがしたくて駿介さんとテラスに出た
さっきの女性の事を聞くと

「彼女は氷室建設の社長の娘で氷室麻衣さんだよ」

「彼女と何かあったんですか?随分突っかかった言い方してきましたけど」

「実は以前彼女から告白されたことがあってね
だけど俺は彼女に対して1ミリもそんな気持ちが無かったので
その場で断ったら今度は会社を持ちだして近づいてきたんだ」

「ひょっとして政略結婚ですか?」

「そう、でも親父はそういうの嫌いですっぱり断ったんだ
氷室社長はそれで完全に諦めてくれたんだけど
麻衣さんはその逆で何かと理由を作っては会社に来た
最初は相手をしてたけどさすがに俺もキレてはっきり言ったんだ
貴方には恋愛感情を持ってないって
そしたらそれが彼女のプライドを傷つけたみたいで
こうやって顔をあわせると絡んできてイヤミを言うんだよ」

「確かにちょっとキツそうな印象は受けましたけど」

「しかし困ったもんだ、あそこまで絡まれるとうんざりだ
俺にその気はないのは分っている筈なのに何をしたいのか
それよりごめん何だか美月も巻き込んだ感じになってしまって
でもあの言葉はホントだよ」


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