年上のアナタと大人の恋ができたなら

「条件？」

「今後2度と俺と美月には近づかないこと
もしまた近づく様なことがあれば
その時は即座に氷室建設との取引は中止すると言ったんだ」

「彼女は納得したんですか？」

「ああ、書面にもサインさせた
美月には心配かけたけどもう大丈夫だ
彼女が俺たちの前に姿を見せることはない」

「麻衣さんって本当は駿介さんのことが好きだったのかも」

「それは無いだろう、会えば嫌みばかり言ってきたのに」

「よく言うでしょう？好きな子には意地悪したくなるって
彼女がそうだったんじゃないですか？」

「そうかな？」

「振られたことはショックだったんだろうけど
1ミリも気持ちがないとか、恋愛感情は持っていないって
好きな人から言われたら女の子は泣きたくもなりますよ
きっと自分の方から告白するのだって彼女には勇気がいったと思いますから」

「・・・」

「確かにそのあとの彼女の行動や言葉は酷かったけど
それも駿介さんに対する好きの裏返しじゃなかったのかな？
私も今までまともな恋愛はしてこなかったので偉そうなこと言えませんが」

そう言って肩にアタマを乗せてきた彼女を抱き寄せると

「美月は優しすぎるよ」

「そうですか？女の子の気持ちを語っただけですけど」

「女の子の気持ちか、難しいな」ぽつりと彼が呟いた