年上のアナタと大人の恋ができたなら
その後は立食パーティが始まりあちこちで歓談が始まった
駿介さんのまわりには相変わらずの人で途切れることがない
傍にいた筈がいつの間にか彼と離れてしまい
人だかりの外に弾かれてしまったが
駿介さんは相変わらず話に夢中でこっちに気がつかない
仕方なくきょろきょろしていると料理の並ぶテーブルが目に入った
そういえば夕飯まだだったっけ
匂いに誘われるようにふらふらとテーブルへ
お皿にいくつか料理を取ると会場の隅にあるイスに腰かけて食べ始めた
「美月ちゃんここにいたんだ」
「浩介さんお疲れ様です」
「駿兄は?」と言われ私は彼を指差した
「相変わらず囲まれてるね、しかし嫌そうなこと
あれはうんざりって顔だね」くすくす笑う浩介さん
「分るんですか?」
「駿兄は昔っからこういう集まりキライなんだよ
話しかけてくるのはどいつも媚売ってくるヤツばかりで
どうにかしてウチと取引したがってる連中ばかりだからね
以前はそれに加え見合い話も結構申し込まれてたんだけど
駿兄にその気がなくて片っぱしから断ってたんだ
だけど独身で恋人がいないっていうのは
オンナたちにとっては絶好のチャンスな訳だから
未来の社長夫人を狙って我先にだったんだよ
まぁそのせいでしばらくパーティに顔を出さなくなった」