年上のアナタと大人の恋ができたなら


今日は平日なのでお店はゆったりしている
お客さまもまばらだ
お店の奥でお店のブログを入力しているとカランと扉の開く音がした

「いらっしゃいませー」というと予想していなかった人の入店に驚いた

「やあさっそく来たよ」とにこにこしながら桐生さんがお店に入ってきた

まさか昨日の今日でこんなに早く来るとは思わなかった
私があっけにとられていると

「いらっしゃいませ」と小百合さんが挨拶した、すると

「こんにちは」と笑顔を向けるとぽっと顔を赤らめていた

「どうしたんですか?今日休みだったんですか」と聞くと

「今時間が開いたからどんな店か見たくて来たんだ
ほんと可愛い店だね」と店内をきょろきょろ見回していた

「で、キミの商品てどこにあるの?」

「こっちです」
店内の一角に設けられている私の商品のコーナーに来ると興味深く眺めていた

「へぇ確かにどれもいいね、女性好みなデザインだ
ちなみに男性用とかはあるの?」

「いえ今のところ女性用だけです」

「今後作る予定はあるの?」

「今はブレスレッドとピアスの新作を考えているところなので
それはもっと先になりそうです」

「そうかその時はまた見させてもらうね」とケータイが鳴った
失礼と言って電話に出た桐生さん、私はそんな彼を見ていると

「分ったすぐ戻る、それはそのまま俺のデスクに置いといてくれ」
と初めて見た仕事仕様の桐生さんの顔にちょっと見惚れていた
電話を終わらせると

「ごめん仕事が入った、今日はこれで失礼するね、じゃあまた」
そう言ってお店を出ていった


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