年上のアナタと大人の恋ができたなら

東雲さんと別れたあと私たちは家に帰った
リビングのソファーに座ると

「東雲さんはたくさんの人に囲まれていたのに
いつも1人だったんですね
本当の彼女を見てくれる人は誰もいなかった
私には駿介さんや柚樹、小百合さんがいてくれたけど
彼女には心から心配してくれる人がいなかった
ずっと自分を偽ってきたなんて辛すぎますよ」

東雲さんはずっと自分のおかれてきた境遇に苦しんでいた
まわりに心許せる人がいなくて1人で悩んでいた
もしこれが自分だったらと考えると寂しくてどうにかなってしまうだろう

「私また彼女に会いたい
そして今度は本当の彼女を知りたいです」

「美月」

次に彼女に会ったならどんな話をしようか
駿介さんの学生時代の話を聞くのもいいし恋の話もいいな
2人でコーヒーでも飲みながらたわいもない話をしてもいい

そんなことを思いながら彼女との再会を願うが
その願いは近く叶えられるのだった


< 59 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop