2.5次元少女
きらside

俺ら龍蓮花が学校に来ると
既に騒がしかった。

なんでだ。

でも疑問はすぐわかった



月花だ。




月花とは敵対しているわけでもないが仲間でもない。
お互い関わらないように穏便に過ごしていた。




なんで急に登校を?



総長の神谷が
「優馬先輩の仇を取りに来た」
そういった。



誰もが思っただろう、

棗は終わった。


元月花の総長を弄んだ棗に現月花が仇を。


周りは歓声をあげてるし、
紫苑様コールがやまない。


神谷は澄ました顔してなにを考えてるかわからない。



俺の隣の鴻は今にでも、神谷を殴りそうだ。


鴻「優馬先輩の仇って、意味わかんない。
棗はなにも悪くない」


鴻は走っていった。

棗のところにでも行くんだろう。


棗ね、図書室だろうな。
どうせ正面からは入れねえし、
屋上からまた飛びうつるか。



悪いが鴻、俺が先に見つけてやる。



そう思った時、

“うわ、棗ちゃんだ”
“やばいよね、超楽しみ”


こう言う時周りの噂は便利。
どこに誰がいるかわかるし

声の方を見ると、
少し離れたところに棗がいた。


話している子たちに向かって








「みんな、そんなニコニコしてどおしたの?」










と、今までにないくらい楽しそうな笑顔で
聞いていた。

いや、楽しそうに見えるだけ、
そんな辛そうに笑うなよ。




くそ、見てらんね。






俺は走って棗を抱きしめようとした、















したのに。





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