副社長と秘密の溺愛オフィス
⑯最後の晩餐
ダイニングテーブルに並ぶのは、彼が好きなミートローフに、マカロニ入りのミネストローネ。真鯛のカルパッチョに、炊き込みご飯、茶碗蒸し。
和洋折衷、献立としてはいかがなものか――けれどどれも一緒に暮らし始めて、彼が美味しいといってくれた料理の数々だ。
あとは、よく冷えたスパークリングワインを出せばいい。
「お祝いしませんか? わたしたちが元に戻ったお祝い」
わたしがそう提案したのは、ちょうど一週間前。彼が出張に出る前の日だった。
「え? あぁ、忙しくてすっかり忘れてたな」
「出張から帰ってくる日はどうですか? たしか帰国便は午後六時でしたよね?」
紘也さんは海外出張の場合帰国が夕方になるときは、予定がなければ直帰することが多い。
「そうだな、店予約しようか?」
「いえ、それなんですけど……わたしが作ってもいいですか?」
「わざわざ? 面倒じゃない?」
読んでいた経済誌から視線をわたしに移した。
「出張帰りでお疲れでしょうから、自宅でゆっくりされたほうがいいと思って。レストランみたいな料理はできませんけど」
「いや、君が面倒じゃなければ俺は明日香の手料理のほうがいいな」
「よかった。じゃあ 頑張って作りますね」
快く提案が受け入れられて、うれしい。
「わかった。機内食は抜いておく」
「そこまでされるとプレッシャーです」
軽く眉を寄せたわたしに、紘也さんは声を出して笑った。
和洋折衷、献立としてはいかがなものか――けれどどれも一緒に暮らし始めて、彼が美味しいといってくれた料理の数々だ。
あとは、よく冷えたスパークリングワインを出せばいい。
「お祝いしませんか? わたしたちが元に戻ったお祝い」
わたしがそう提案したのは、ちょうど一週間前。彼が出張に出る前の日だった。
「え? あぁ、忙しくてすっかり忘れてたな」
「出張から帰ってくる日はどうですか? たしか帰国便は午後六時でしたよね?」
紘也さんは海外出張の場合帰国が夕方になるときは、予定がなければ直帰することが多い。
「そうだな、店予約しようか?」
「いえ、それなんですけど……わたしが作ってもいいですか?」
「わざわざ? 面倒じゃない?」
読んでいた経済誌から視線をわたしに移した。
「出張帰りでお疲れでしょうから、自宅でゆっくりされたほうがいいと思って。レストランみたいな料理はできませんけど」
「いや、君が面倒じゃなければ俺は明日香の手料理のほうがいいな」
「よかった。じゃあ 頑張って作りますね」
快く提案が受け入れられて、うれしい。
「わかった。機内食は抜いておく」
「そこまでされるとプレッシャーです」
軽く眉を寄せたわたしに、紘也さんは声を出して笑った。