副社長と秘密の溺愛オフィス
第六章
⑰サヨナラの朝――side紘也
――ピピピッピピピッ
いつもの時間に目覚ましのアラームが鳴る。うるさいと思いつつもまだ心地よいまどろみの中から抜け出したくなくて、隣りにいる明日香に手を伸ばす。
「ん……明日香……ん?」
手を伸ばしても感じるのは冷たいシーツの感触だけ。一気に目が覚めた俺は、身体を起こすと彼女の名前を呼びながら、ベッドから降りた。
すでにキッチンに立っているのかもしれない。そんな希望を胸に抱き、寝室のドアを開けた。しかしそこにいるはずの明日香の姿はなく、人気のない静かなリビングは冷たささえ感じる。
いつもと様子が違う。
急いで明日香の部屋に向う。
まさか……まさかな……。
自分の中の嫌な予感が外れてほしいと切に願いながら、勢い良く彼女の部屋の扉を開けた。
そこで俺が見たのは、きちんと整えられたベッド。そして彼女の私物が一切ないがらんとした部屋だった。
「なんだ……これ」
焦った俺は早朝だということも忘れ、すぐに明日香へ電話をかけた。しかしすぐに留守電につながってしまう。
だったら、自宅の電話に……。
そう思ったが、思いとどまった。万が一明日香が自宅にいなければ、電話に出るであろう翼に余計な心配をさせるかもしれない。
いつもの時間に目覚ましのアラームが鳴る。うるさいと思いつつもまだ心地よいまどろみの中から抜け出したくなくて、隣りにいる明日香に手を伸ばす。
「ん……明日香……ん?」
手を伸ばしても感じるのは冷たいシーツの感触だけ。一気に目が覚めた俺は、身体を起こすと彼女の名前を呼びながら、ベッドから降りた。
すでにキッチンに立っているのかもしれない。そんな希望を胸に抱き、寝室のドアを開けた。しかしそこにいるはずの明日香の姿はなく、人気のない静かなリビングは冷たささえ感じる。
いつもと様子が違う。
急いで明日香の部屋に向う。
まさか……まさかな……。
自分の中の嫌な予感が外れてほしいと切に願いながら、勢い良く彼女の部屋の扉を開けた。
そこで俺が見たのは、きちんと整えられたベッド。そして彼女の私物が一切ないがらんとした部屋だった。
「なんだ……これ」
焦った俺は早朝だということも忘れ、すぐに明日香へ電話をかけた。しかしすぐに留守電につながってしまう。
だったら、自宅の電話に……。
そう思ったが、思いとどまった。万が一明日香が自宅にいなければ、電話に出るであろう翼に余計な心配をさせるかもしれない。