副社長と秘密の溺愛オフィス
⑲ただいまの場所
大地さんを乗せた新幹線が出発した後、紘也さんはわたしの手をきつく握り直した。
「ついてきて」
歩き出した紘也さんにつられて足を踏み出した。行先を聞いていないけれど、もうその手を離すつもりなどないわたしは、黙って彼について行く。
改札口を抜けたところで、前から走ってくる知った顔を見て驚いた。
「兄貴、よかった! 間に合ったのね」
「あぁ。悪かったな、心配かけて」
「幹也さんと……え? 千佳子さん……どうしておふたりが?」
幹也さんの後ろから顔を出したのは、千佳子さんだった。幼馴染みなので一緒にいてもおかしくはないのだが、わたしの質問に幹也さんが千佳子さんの肩を抱き寄せる。
「こういうことなのよ」
にっこりと妖艶な顔で笑うと、隣に立っていた千佳子さんの頬にチュと小さな音を立ててキスをした。恥ずかしそうに顔を赤くした千佳子さんだったが、その顔はとってもうれしそうだ。
「え! あの、え?」
動揺しすぎて、変な声しか出ない。助けを求めるようにわたしは紘也さんを見た。
「ついてきて」
歩き出した紘也さんにつられて足を踏み出した。行先を聞いていないけれど、もうその手を離すつもりなどないわたしは、黙って彼について行く。
改札口を抜けたところで、前から走ってくる知った顔を見て驚いた。
「兄貴、よかった! 間に合ったのね」
「あぁ。悪かったな、心配かけて」
「幹也さんと……え? 千佳子さん……どうしておふたりが?」
幹也さんの後ろから顔を出したのは、千佳子さんだった。幼馴染みなので一緒にいてもおかしくはないのだが、わたしの質問に幹也さんが千佳子さんの肩を抱き寄せる。
「こういうことなのよ」
にっこりと妖艶な顔で笑うと、隣に立っていた千佳子さんの頬にチュと小さな音を立ててキスをした。恥ずかしそうに顔を赤くした千佳子さんだったが、その顔はとってもうれしそうだ。
「え! あの、え?」
動揺しすぎて、変な声しか出ない。助けを求めるようにわたしは紘也さんを見た。