副社長と秘密の溺愛オフィス
「そういうこと。千佳子が昔から好きだったのは、俺じゃなくて幹也ね。たしかに俺との婚約話が出てたのは事実だけど、弟のことを懸命に思う女と結婚なんてできるわけないだろ?」
「そう……だったんですか……」
すぐには理解できずに、手を握り合っている幹也さんと千佳子さんを見る。
「だいたいお前が、千佳子をずっとほったらかしてるからこういうことになるんだ」「兄貴に言われたくないわよ。明日香さんに逃げられたくせにっ」
口調はオネェだが、口は紘也さんに負けていない。しかしわたしは兄弟喧嘩の勝敗よりも、気になることがあった。
「じゃあ、大乗専務とのご婚約は?」
「もちろん白紙だ。それにアイツはもう〝専務〟じゃない」
「え? どういう意味ですか?」
いまいち理解ができず、紘也さんに尋ねる。
「正確にいえば、大乗との婚約は俺が白紙にさせた。アイツのやったことを全部調べあげて、会社にいられなくした。軽い横領から、取り引き先からのキックバック。まぁ、でるわでるわ。これまで放置してたのがおかしい話だ。極めつけは例の監禁の件」
「あれ、大乗専務が関係しているって立証できたんですか?」
「今まで、俺にできなかったことあるか?」
「そう……だったんですか……」
すぐには理解できずに、手を握り合っている幹也さんと千佳子さんを見る。
「だいたいお前が、千佳子をずっとほったらかしてるからこういうことになるんだ」「兄貴に言われたくないわよ。明日香さんに逃げられたくせにっ」
口調はオネェだが、口は紘也さんに負けていない。しかしわたしは兄弟喧嘩の勝敗よりも、気になることがあった。
「じゃあ、大乗専務とのご婚約は?」
「もちろん白紙だ。それにアイツはもう〝専務〟じゃない」
「え? どういう意味ですか?」
いまいち理解ができず、紘也さんに尋ねる。
「正確にいえば、大乗との婚約は俺が白紙にさせた。アイツのやったことを全部調べあげて、会社にいられなくした。軽い横領から、取り引き先からのキックバック。まぁ、でるわでるわ。これまで放置してたのがおかしい話だ。極めつけは例の監禁の件」
「あれ、大乗専務が関係しているって立証できたんですか?」
「今まで、俺にできなかったことあるか?」