副社長と秘密の溺愛オフィス
③こんにちは、わたし
--濃い霧の中をひとりでずっとさまよっている。周りが見えなくて心細い。
「どうしよう・・・・・・、誰かいませんか?」
わたしの呼びかけに誰かが答えた。
「い・・・・・・乾っ!」
「副社長?」
必死になって、声の方に走る。霧の中で今頼りにできるのは、副社長の声だけだ。
手を延ばして、必死で彼を探す。
「乾!」
はっきりとした声が聞こえた瞬間、パッと目の前が開けた。
しかし目の前には副社長の顔ではなく・・・・・・。
「え、ど、どうして、いやぁーーーーー!」
地響きのような声を上げるわたしの口を目の前の〝わたし〟がふさぐ。
「シー! いいから落ち着け」
どうやって! この状況で落ち着ける人なんて――。
目の前にいるこの人ぐらいだろう。
病院着を着てわたしの姿をしているこの人は、わたしのように取り乱してはいない。
真剣な顔の自分の姿を見て、わたしは息をのんだ。
いったいこの人は誰だろう。
しかしそう難しく考えなくてもわかった。
わたしが目の前にいて、わたしが副社長の姿をしているのならば、目の前の相手は彼に違いない。
「どうしよう・・・・・・、誰かいませんか?」
わたしの呼びかけに誰かが答えた。
「い・・・・・・乾っ!」
「副社長?」
必死になって、声の方に走る。霧の中で今頼りにできるのは、副社長の声だけだ。
手を延ばして、必死で彼を探す。
「乾!」
はっきりとした声が聞こえた瞬間、パッと目の前が開けた。
しかし目の前には副社長の顔ではなく・・・・・・。
「え、ど、どうして、いやぁーーーーー!」
地響きのような声を上げるわたしの口を目の前の〝わたし〟がふさぐ。
「シー! いいから落ち着け」
どうやって! この状況で落ち着ける人なんて――。
目の前にいるこの人ぐらいだろう。
病院着を着てわたしの姿をしているこの人は、わたしのように取り乱してはいない。
真剣な顔の自分の姿を見て、わたしは息をのんだ。
いったいこの人は誰だろう。
しかしそう難しく考えなくてもわかった。
わたしが目の前にいて、わたしが副社長の姿をしているのならば、目の前の相手は彼に違いない。