副社長と秘密の溺愛オフィス
⑤おさわり厳禁!
まではよかったものの――やっぱり問題は山積みだった。
目下わたしが気になっているのは、副社長の男らしい態度だ。いつもならばそれは好感度が上がるものだが、今はわたしの格好――どこからどう見ても女性――なのだから、その大股開きはいただけない。
「あの、大変申し訳にくいのですが、足もう少し閉じていただけませんか?」
「ん、足?」
わたしがうなずくと、開いていた足の幅がほんの少し閉じられた。
「いえ、そうじゃなくて……膝を合わせて座ってほしいんです。今はパンツをはいてますから大丈夫ですが、スカートだとそれ完全に中身が見えちゃいますから……」
「あぁ、そっか。悪い。なるべくスカートは履かないようにする」
「そうしてくださると、助かります」
わたしの言葉に、副社長はハァとため息をついた。
「女って面倒だな。あーあ」
そう言って、ソファに仰向けで倒れこんだ。思いっきり足を開いて……。今度はわたしが、ハァとため息をついた。前途多難だと頭を抱えながら。
「あの、そんな態度だと、弟にすぐに怪しまれてしまいそうなんですけど」
「え? あぁ、そっか。君、弟と一緒に住んでるんだっけ?」
「はい。退院したので、自宅に戻らないわけにはいきません」
かといって今のわたしが、自宅マンションに「ただいま」と言って帰るわけにはいかない。副社長にわたしのふりをして、帰ってもらうしかないのだ。
目下わたしが気になっているのは、副社長の男らしい態度だ。いつもならばそれは好感度が上がるものだが、今はわたしの格好――どこからどう見ても女性――なのだから、その大股開きはいただけない。
「あの、大変申し訳にくいのですが、足もう少し閉じていただけませんか?」
「ん、足?」
わたしがうなずくと、開いていた足の幅がほんの少し閉じられた。
「いえ、そうじゃなくて……膝を合わせて座ってほしいんです。今はパンツをはいてますから大丈夫ですが、スカートだとそれ完全に中身が見えちゃいますから……」
「あぁ、そっか。悪い。なるべくスカートは履かないようにする」
「そうしてくださると、助かります」
わたしの言葉に、副社長はハァとため息をついた。
「女って面倒だな。あーあ」
そう言って、ソファに仰向けで倒れこんだ。思いっきり足を開いて……。今度はわたしが、ハァとため息をついた。前途多難だと頭を抱えながら。
「あの、そんな態度だと、弟にすぐに怪しまれてしまいそうなんですけど」
「え? あぁ、そっか。君、弟と一緒に住んでるんだっけ?」
「はい。退院したので、自宅に戻らないわけにはいきません」
かといって今のわたしが、自宅マンションに「ただいま」と言って帰るわけにはいかない。副社長にわたしのふりをして、帰ってもらうしかないのだ。