副社長と秘密の溺愛オフィス
ど、どうしてこんなときに笑ってられるの?
唖然として副社長を見つめていると、内線で営業部長に連絡を取る。
「あ、守谷(もりや)部長? たしか、福田建材の社長とはゴルフ仲間でしたよね? あと一時間ほどしたらいらっしゃるので、少しお相手願えませんか?……はい、えぇ」
どうやら一方のアポイントにピンチヒッターを立てることにしたらしい。受話器を置くとすぐに、別のところに電話をかけ始めた。すぐに相手方に断りを入れる電話だということがわかる。
「すみません。はい、わたしもお会いできるのを楽しみにしていたのですが……」
電話の最後には和やかな笑い声を上げていた。
「これで、よしっ」
わたしは目の前で副社長が問題を解決する様を、ただ見ていることしかできなかった。
はたと気がついて、おもいっきり頭を下げた。
「も、申し訳ございませんでした」
ミスをしたうえ、その後始末を上司である副社長にさせてしまった。どんな叱責でも受けるつもりだった。
「真面目を絵に描いたような謝罪だね」
「あの、はい。申し訳……」
ますます深く頭を下げる。
「あ、別に責めてるわけじゃないから、顔あげて」
恐る恐る顔をあげ、息をつめた。そんなわたしに副社長は諭すように言う。
唖然として副社長を見つめていると、内線で営業部長に連絡を取る。
「あ、守谷(もりや)部長? たしか、福田建材の社長とはゴルフ仲間でしたよね? あと一時間ほどしたらいらっしゃるので、少しお相手願えませんか?……はい、えぇ」
どうやら一方のアポイントにピンチヒッターを立てることにしたらしい。受話器を置くとすぐに、別のところに電話をかけ始めた。すぐに相手方に断りを入れる電話だということがわかる。
「すみません。はい、わたしもお会いできるのを楽しみにしていたのですが……」
電話の最後には和やかな笑い声を上げていた。
「これで、よしっ」
わたしは目の前で副社長が問題を解決する様を、ただ見ていることしかできなかった。
はたと気がついて、おもいっきり頭を下げた。
「も、申し訳ございませんでした」
ミスをしたうえ、その後始末を上司である副社長にさせてしまった。どんな叱責でも受けるつもりだった。
「真面目を絵に描いたような謝罪だね」
「あの、はい。申し訳……」
ますます深く頭を下げる。
「あ、別に責めてるわけじゃないから、顔あげて」
恐る恐る顔をあげ、息をつめた。そんなわたしに副社長は諭すように言う。