副社長と秘密の溺愛オフィス
⑨そしてまたキス
副社長として会社に復帰してから二週間が経った。いまだに彼としてふるまうことに馴れずに、一日中神経をすり減らす毎日だ。
副社長室にふたりっきりでいるときは、わたしは秘書として彼のサポートをしている。デスクももちろん以前のままのを使っていたのだけれど、以前急に秘書課課長が副社長室に来たときに、見つかってしまいわたしの姿で副社長用の立派なデスクで仕事をしていた紘也さんは、こっぴどく課長に怒られていた。
対外的な仕事に関してはわたしでこなすのは少々難しく、〝事故の影響〟という名目で(まぁ実際事故が原因なのだけれど)紘也さんのお父様である社長がこなしてくれている。とりあえずはなんとかなっているという所だが、首の皮一枚でつながっている感じでつねにびくびくしているのだが……。
――それなのに、彼ときたら……。
「ふぁあ~、なぁ、この引き出しに入ってるチョコレート食べてもいいか?」
課長に見つかってからは、彼がわたしのデスクを使うようにしていた。二段目の引き出しを開けて、チョコレートを取り出して食べ始めている。
「まだ、いいって言ってないですけど」
「うまいな。もう一個」
ぽいと口に放り込むと、いきなりパソコンの画面に集中し始めた。どうやらスイッチが入ったみたいだ。
副社長室にふたりっきりでいるときは、わたしは秘書として彼のサポートをしている。デスクももちろん以前のままのを使っていたのだけれど、以前急に秘書課課長が副社長室に来たときに、見つかってしまいわたしの姿で副社長用の立派なデスクで仕事をしていた紘也さんは、こっぴどく課長に怒られていた。
対外的な仕事に関してはわたしでこなすのは少々難しく、〝事故の影響〟という名目で(まぁ実際事故が原因なのだけれど)紘也さんのお父様である社長がこなしてくれている。とりあえずはなんとかなっているという所だが、首の皮一枚でつながっている感じでつねにびくびくしているのだが……。
――それなのに、彼ときたら……。
「ふぁあ~、なぁ、この引き出しに入ってるチョコレート食べてもいいか?」
課長に見つかってからは、彼がわたしのデスクを使うようにしていた。二段目の引き出しを開けて、チョコレートを取り出して食べ始めている。
「まだ、いいって言ってないですけど」
「うまいな。もう一個」
ぽいと口に放り込むと、いきなりパソコンの画面に集中し始めた。どうやらスイッチが入ったみたいだ。