副社長と秘密の溺愛オフィス
「ごほっ……ごほ」
「やっと捕まえた! 紘也っ!」
むせながらも入ってきた人物を見て、ますます驚いた。モデルのAKIKOだ。うちの会社のCMにも抜擢されている、今売れっ子の人物。それがどうしてここに?
その疑問はすぐに詰め寄ってきた彼女によって答えられた。
「どうして、まったく連絡をよこさないの? わたしこんな侮辱を受けるのはじめてよ」
ネクタイを掴まれて、彼女の綺麗な顔が近づいてくる。美人の怒った顔は迫力だ――なんてどこか他人行儀に考えてしまう。
「わたしあなたとつき合っているつもりだったけど、どうやら勘違いだったようね」
「そうだったんですか?」
純粋に驚いて口にした言葉。それを聞いた相手は怒り心頭だ。
「そう、そういうことね。今のでよくわかったわ、あなたがわたしに興味がないこと」
「いや、違うんです。そうじゃなくて」
あわてて否定する。紘也さんと彼女がつき合っているのならば、きちんと釈明しなくちゃならない。けれど、そんなわたしの言葉に彼女はまったく聞く耳をもってくれなかった。
「何度か食事に行っただけの女からの連絡は全て無視するなんて、いい度胸よね? 他の女は黙っていたかもしれないけど、わたしはコケにされて泣き寝入りするような女じゃないの」
清純派で売っているはずの彼女が、般若の形相で睨みつける。イメージとのギャップに恐れおののく。
「やっと捕まえた! 紘也っ!」
むせながらも入ってきた人物を見て、ますます驚いた。モデルのAKIKOだ。うちの会社のCMにも抜擢されている、今売れっ子の人物。それがどうしてここに?
その疑問はすぐに詰め寄ってきた彼女によって答えられた。
「どうして、まったく連絡をよこさないの? わたしこんな侮辱を受けるのはじめてよ」
ネクタイを掴まれて、彼女の綺麗な顔が近づいてくる。美人の怒った顔は迫力だ――なんてどこか他人行儀に考えてしまう。
「わたしあなたとつき合っているつもりだったけど、どうやら勘違いだったようね」
「そうだったんですか?」
純粋に驚いて口にした言葉。それを聞いた相手は怒り心頭だ。
「そう、そういうことね。今のでよくわかったわ、あなたがわたしに興味がないこと」
「いや、違うんです。そうじゃなくて」
あわてて否定する。紘也さんと彼女がつき合っているのならば、きちんと釈明しなくちゃならない。けれど、そんなわたしの言葉に彼女はまったく聞く耳をもってくれなかった。
「何度か食事に行っただけの女からの連絡は全て無視するなんて、いい度胸よね? 他の女は黙っていたかもしれないけど、わたしはコケにされて泣き寝入りするような女じゃないの」
清純派で売っているはずの彼女が、般若の形相で睨みつける。イメージとのギャップに恐れおののく。