あなたの手
一人寛いでいると、スマートフォンの着信音が鳴った。
「お疲れ様です。植仲です」
『植仲さん、こんばんは』
くすりと笑い声の後に男性の声。
『才賀です。今、お時間よろしいですか?』
「才賀さん!?』
スマートフォンの画面を確認すると、登録されていない番号が表示されていた。
「はい! 大丈夫です!」
『良かった・・・・・・』
どうして電話番号を知っているのか気になっていると、バーにいたときに連絡先を教えたらしい。
その記憶すら抜けていたと思うと情けなくなった。
『来月暇だって話していましたよね? 予定が入ってないのなら、会えませんか?』
「店でってことですよね?」
『違います』
プライベートで会いたいことを言われ、激しく動揺した。
『もしかしてもう何か予定を入れてしまいましたか?』
「いえ、何も入れてないです」
『それなら・・・・・・』
約束の日、待ち合わせ場所に才賀が笑顔でやってきた。
「こんばんは。植仲さん」
「こんばんは」
胸に手を当てて、ドキドキしながら挨拶をする。
「才賀さん、これから行く店、結構行くのですか?」
「ときどき行きます。とても美味しいですよ」
「楽しみです」
電話で食べたいものを訊かれて、海鮮料理を食べたいことを伝えていた。
歩いて十分でその店に着いた。
一番人気があるのが海鮮丼。才賀が何度も頼んだことがあると聞いて、それを注文した。
海鮮丼は本当に美味しく、食べることに夢中になった。
「美味しかったですか?」
「はい! とっても美味しかったです!」
食事を終えて、のんびりと街道を歩いていると才賀が突然立ち止まった。
「植仲さん、あのさ・・・・・・」
「才賀さん?」
後ろを振り返ると、見知らぬ女性が立っていた。
「お疲れ様です。植仲です」
『植仲さん、こんばんは』
くすりと笑い声の後に男性の声。
『才賀です。今、お時間よろしいですか?』
「才賀さん!?』
スマートフォンの画面を確認すると、登録されていない番号が表示されていた。
「はい! 大丈夫です!」
『良かった・・・・・・』
どうして電話番号を知っているのか気になっていると、バーにいたときに連絡先を教えたらしい。
その記憶すら抜けていたと思うと情けなくなった。
『来月暇だって話していましたよね? 予定が入ってないのなら、会えませんか?』
「店でってことですよね?」
『違います』
プライベートで会いたいことを言われ、激しく動揺した。
『もしかしてもう何か予定を入れてしまいましたか?』
「いえ、何も入れてないです」
『それなら・・・・・・』
約束の日、待ち合わせ場所に才賀が笑顔でやってきた。
「こんばんは。植仲さん」
「こんばんは」
胸に手を当てて、ドキドキしながら挨拶をする。
「才賀さん、これから行く店、結構行くのですか?」
「ときどき行きます。とても美味しいですよ」
「楽しみです」
電話で食べたいものを訊かれて、海鮮料理を食べたいことを伝えていた。
歩いて十分でその店に着いた。
一番人気があるのが海鮮丼。才賀が何度も頼んだことがあると聞いて、それを注文した。
海鮮丼は本当に美味しく、食べることに夢中になった。
「美味しかったですか?」
「はい! とっても美味しかったです!」
食事を終えて、のんびりと街道を歩いていると才賀が突然立ち止まった。
「植仲さん、あのさ・・・・・・」
「才賀さん?」
後ろを振り返ると、見知らぬ女性が立っていた。