あなたの手
背中を丸めて全身震えているので、どうしたのかとコーヒーカップを置いた。
「ついてる・・・・・・」
口元を指で触れると、クリームが指先についた。
顔が真っ赤になっている紗保を見て、才賀は笑い声を上げた。
恥ずかしさを感じながら、再びウィンナーコーヒーを飲んだ。
店を出て才賀の顔を見ると笑顔に戻っているので、安堵して肩の力を抜いた。
「外、真っ暗ですね・・・・・・」
「駅に向かいましょうか」
「そうですね・・・・・・」
二人で駅に向かっている間、少し肌寒さを感じた。
駅が見えてきたとき、才賀に名前を呼ばれて後ろを振り返った。
「今日つきあってくれてありがとうございます」
「こちらこそありがとうございます」
互いに頭を下げて礼を言った。
「また会ってくれますか?」
「もちろんです」
笑顔で頷くと、才賀は紗保と視線を合わせた。
「どうしようかって考えたんだけど、やっぱりはっきりさせたいなと思って・・・・・・」
言っている意味がわからず首を傾げると、才賀は目を閉じて息を吸った。
「俺、植仲さんのことが好きです」
突然告白されて、紗保は驚きのあまり声が出なかった。
「先程言いましたよね? 心に決めた人がいることを・・・・・・」
今日、偶然会った女性に才賀が言ったこと。
まさかそれが自分のことだなんて考えていなかった。
「私・・・・・・」
「焦らなくて大丈夫です」
返事はゆっくりでいいことを言われて、才賀が駅に向かおうとした。
咄嗟に彼の手を掴むと、驚いて紗保を見下ろした。
「私も好きです」
次会うときは恋人として会って欲しいことを言うと、手を握り返された。
「もちろん!」
手の甲にキスを落とされ、思わず目を丸くした。
彼の手から伝わるぬくもりと唇の冷たさを感じて、紗保の顔は一気に赤くなった。
「ついてる・・・・・・」
口元を指で触れると、クリームが指先についた。
顔が真っ赤になっている紗保を見て、才賀は笑い声を上げた。
恥ずかしさを感じながら、再びウィンナーコーヒーを飲んだ。
店を出て才賀の顔を見ると笑顔に戻っているので、安堵して肩の力を抜いた。
「外、真っ暗ですね・・・・・・」
「駅に向かいましょうか」
「そうですね・・・・・・」
二人で駅に向かっている間、少し肌寒さを感じた。
駅が見えてきたとき、才賀に名前を呼ばれて後ろを振り返った。
「今日つきあってくれてありがとうございます」
「こちらこそありがとうございます」
互いに頭を下げて礼を言った。
「また会ってくれますか?」
「もちろんです」
笑顔で頷くと、才賀は紗保と視線を合わせた。
「どうしようかって考えたんだけど、やっぱりはっきりさせたいなと思って・・・・・・」
言っている意味がわからず首を傾げると、才賀は目を閉じて息を吸った。
「俺、植仲さんのことが好きです」
突然告白されて、紗保は驚きのあまり声が出なかった。
「先程言いましたよね? 心に決めた人がいることを・・・・・・」
今日、偶然会った女性に才賀が言ったこと。
まさかそれが自分のことだなんて考えていなかった。
「私・・・・・・」
「焦らなくて大丈夫です」
返事はゆっくりでいいことを言われて、才賀が駅に向かおうとした。
咄嗟に彼の手を掴むと、驚いて紗保を見下ろした。
「私も好きです」
次会うときは恋人として会って欲しいことを言うと、手を握り返された。
「もちろん!」
手の甲にキスを落とされ、思わず目を丸くした。
彼の手から伝わるぬくもりと唇の冷たさを感じて、紗保の顔は一気に赤くなった。