30センチのきょり


「はるかくっ…はるかくん…っ」


素直に会えて嬉しかった。

その気持ちがどんどんどん溢れてきて止まらない。


涙と同じ。


「雪…?」


びっくりだよね。

急に元カノが泣きながら抱きつくんだもん。


でも、もうちょっとだけ。



もうちょっとだけ、このままが、いい。



遥くんはそれを察したのか、抱きしめ返してくれた。

そして頭を撫でてくれた。


それが本当に居心地良かった。

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