30センチのきょり


「てか、なんでそんな泣いてたの」

親指で私の涙を拭いながら話す遥くん。


「そんなに俺と会うのやだった?」

笑いながら言ってるけど、まゆげ。


ちょっと下がってるよ。


「違うよ、その逆」

「え?」


結構遠まわしな言い方で可愛くない。


でも私素直に言えないんだって。


心の中で思ってても。

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