30センチのきょり


「俺に、会いたかったってこと?」


恐る恐る聞く遥くん。

そうだよ。


その通りだよ。


言葉に出すのは嫌だからコクンと頷く。


「え?」


遥くんがえ?と言ったあと、私は何かに包まれた。


「え?」


今度は私がこういう番だった。



「俺も、ずっと雪に会いたかった」


私は黙って、遥くんの背中に手をまわした。

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