クールアンドドライ
 洗濯と乾燥を終えた服を着て、リビングに行くと、いい匂いがした。
「飲むか?」と聞かれたので、迷わず「いいんですか?」と言った。

 課長に淹れてもらったコーヒーを飲む。
課長の部屋には、ダイニングテーブルがある。
1人暮らしにしては広い間取りで、多分2LDK、羨ましい。

 「すみません。ご迷惑をおかけして。その上コーヒーまでいただいて。すみません。」
向いの席に座った課長に改めて謝罪した。
「まぁ、迷惑を掛けられたのは、否定しない。」
「すみません。後でお礼をさせてもらいます。」
更に謝った。
まぁ、後で何か買っておこうと思い、「あの、ここって、どの辺ですか?」
さっさと、帰ろうと思い、聞いてみる。
スマホの地図アプリを開いてみる。
「浩人と同じマンションだけど。」と言われ、だから、どこかで見たような間取りだったのかぁ、と納得した。

 帰り方が分かったので、スマホをバッグにしまった。

 取り敢えず、飲み終わったカップを洗い、「お邪魔しました。」と、玄関へと向かった。

 見送りにきた課長が、何か言いたげにしている。なので、ん?とした感じで、首を傾げる。
「お礼なら、・・明日、また家に来てくれないか?」
なんだか、照れたように言われた。
「何でですか?」ちょっと、ぶっきらぼうなかんじで聞き返す。
「荷物片付けるの、手伝え!」
今度は、やけに偉そうに言われた。
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