クールアンドドライ
 暇なので、もうお風呂にはいっちゃおう。
何となくそう思い、お風呂を済ませた。

 ああ、まだ課長が寝てる。
そろそろ起こした方がいいのかなぁ?

 「課長?そろそろ起きてください。」
そばにいって、肩を揺すってみた。
はぁ、それにしても課長は、寝てると可愛い。
しばらく肩を揺すっていると、課長が目を覚ました。

 「誘ってんの?」

 キャッ

 !!!?

 腕を引かれた衝撃に思わず目を瞑っていた。

 今、どういう状況だ、これ?

 目の前には、怒ったような課長の顔。頭の下には、冷たい床の感触。
腕は掴まれたまま。
もう一方の課長の腕は、私の顔の横で、床に肘を付いた状態。

 何が起きたの?

 「か・・ちょう?」
やっと、声にした疑問は、消え入りそうに弱々しかった。

 「俺、結構態度に出てたよな。」
「えっ?」

 何のことか解らないうちに、課長の顔が迫ってくる。
当然のように、唇が重なった。
知らないうちに、課長に頭を抱えられて、顔を背けようとしても、出来ない。
 じれた彼が、顎を掴んで無理やり口を開けさせた。すかさず舌が入ってくる。
そこまでされて、抵抗する気が失われた。
されるがまま、受け流した。
どうすればいいかなんて、分かんない!
キスされた時に、反射的に閉じた目から、涙が溢れそうになった。
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