クールアンドドライ
 私は今、青木さんに怒鳴れている。
三課で怒鳴るのは、課長だけではなかった。
でも、ミスしたのは自分なので素直に謝る。
「すみませんでした。すぐやり直します。」
「当たりまえだ!午前中に仕上げろよ!」
そう言って、青木さんは私の前から立ち去った。
ヤバい、あと2時間ない。

 はぁー、何でこんなミスを・・・
これまた、面倒くさい。
どうやら、参考資料が間違っていたらしい。
今回の機種と違う型番の機種の資料で、シミュレーションデータを作ってしまったらしい。

 なんとか、午前中に間に合った。
今度こそ、ダブルチェックしたので、大丈夫。

 はぁー、やっとのことでお昼休憩だが、サンドイッチ片手に、午前中出来なかった仕事をこなしていく。
でも、今日は残業決定だな。
 トイレに行くついでにロッカールームに向かい、私用のスマホから課長にメッセージを送った。
‘ごめんなさい、残業決定で今夜は会えそうに無いです。’
8時までには、終わるだろうけど、なんとなく会う気になれない。

 お疲れ様でしたー!と、心の中だけで言った。何故なら、もう他に誰もいないから。
座ったまま、背伸びをして、首を回す。
ガチガチだった肩が少し楽になった気がした。

 19時半に、何とか今日の分は終わった。
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