クールアンドドライ
 「あ、あっくん。出来ました~。」
寝室のドアを開けてみると、あれ?いない。
トイレかしら?
キッチンに戻ると、風呂上がりらしい彼がいた。
「あ、お風呂だったんだ。」
「あ、いい加減寝飽きたしな。結構うまそうじゃん。」
彼は、小鍋の中を覗きながら言った。
「いいい、今、準備します。」
「ああ、ありがとうな。」
優しく笑ってくれた。

 あああ、風呂上がりの男ってあんなに色気があるもの?この前は、緊張してたからか、気づかなかった。
一応、気を使ってくれたのだろう、ちゃんとパジャマ姿だったけど、いやあれはスウェットっていうのか。
 でも、暑くて捲られた袖から見える腕とか、まだ、濡れたままの髪だとか。

「あっ、あっくん髪、乾かして。」
ダイニングテーブルに座ってテレビを見始めた彼に言った。
「面倒くさいなぁ」そう言いながらも立ち上がって、洗面所へ向かった。
暑がりなのかな?

 「お、旨いじゃん。」
「それは、良かったです。」
ついでなので、自分も夕食を食べようと、一緒に雑炊を食べていた。
まずいと言われなくてほっとした。

 片付けも終わり、ちょっと迷う、一応、泊まれる準備はしてきた。
というのも、あっくんとのラインのやりとりでそんなようなメッセージが届いていたから。
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