クールアンドドライ
 起きてたんかーい!
という突っ込みは、声にならなかった。
すぐさま、組み敷かれたから。
こ、ここれは、・・やる気満々?
「あっくん?」目を瞬かせて、何もしないよね?という念を込めて彼を見つめる。

 「何?」意地悪そうな顔で、答えてくる。
「あのー、風邪引いてるんでしょ?」
「もう、治りかけだし、問題無い。」
「い、いや、あるでしょ!問題あるでしょ!」
「大丈夫、移しても、明日から休みだし」
さも、楽しそうに言ってくる。
こっちは、楽しくない。何とかせねば。
「で、でも、その、まだ付き合ったばかりだし・・」
「もう、付き合ってるんだから、チャンスがあればやるのは当然だろ。」
「えっ?当然なの?」
「ああ、当然だ。」
そう、自信満々に答えられて、思考が停止した。
彼は、この隙を逃さず、あっという間にキスをしてきた。

 最初は、抵抗してたんだけど、彼とのキスは嫌いじゃない。いや、むしろ気持ちよくて好きだ。
だんだんと、深くなっていく行為に、いつの間にか抵抗もしなくなってた。

 一旦唇が離れていく、それが嫌で、彼の後頭部と背中に手を回した。
更に激しく口づけされる。
舌を絡め合うって、こんな感じなの?と、思うようなキスだった。
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