輝く星に手を伸ばして
好きな人に、好きな人がいた
放課後、カバンに教科書やノートを入れ、帰る準備をしていた。
「岡田!真面目に恋愛相談させて!」
いきなり振り向いたと思えば、この男は。
好きな人に恋愛されるこっちの身にもなれっての。
なんて言えないけどね。
だって断ったら友人ポジションをおろされるんだよ?
ただのクラスメイトになるんだよ?
それだけは勘弁。
「いいよー。あ、もしかして告白される前にフラれちゃった?」
「んなわけねーだろ!これからだよ」
あらあら、幸せそうに頬なんか赤らめちゃって。
……ムカつく。
あたしは手を握って大川の頭を殴った。
「イテッ!なんで殴るんだよ」
「ムカついたから。ここで幸せオーラ振りまくな。もう、フラれてしまえ!」
「悪かった!頼むから、なにかアドバイスくれよー。こんなこと頼めるのは、お前しかいねえんだよ」
あーあ。
誰かあたしを馬鹿だと言ってくれないか。
あたししかいないって言葉で、顔が赤くなりつつある。
「わかったよ。てか、その好きな子ってどんな子?」
「中学の後輩。もう二年くらい片想いしてる」
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