輝く星に手を伸ばして


「いないよ」



あたしに残された選択肢はこれしかないよね。



「へー。もったいないな。せっかくいいやつなのに」



それをお前が言うな!



はあ……。


最近、大川と話してると疲れる。



「岡田ー?ため息ついてどうした?悩みがあるなら聞くぞ?」



また大きなため息が出てしまう。


これは仕方がない。


誰もがそう言ってくれると信じている。



原因である人物にこう言われてしまうと、呆れて言い返す気力もない。



「なんでもない。ほら着いたよ」



大川があんなこと聞いてこなかったら、学校から近いこの小物店を恨んだのに。


今は逆に感謝だよ。



「ちょ、俺にここに入れと?」


「女にプレゼント買うんだから、こんなもんでとやかく言ってたら今後やってけないよ。今は彼女がいないからあたしがこうやってついて来てるけど、彼女できたら来ないからね」


「なんで?」



こいつ……聞き返しやがった。


普通考えればわかるだろ。



二股疑惑かかるっての。


あたし、そんな面倒ごとに巻き込まれるのはゴメンだよ。

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