輝く星に手を伸ばして
「とにかく、さっさと選んでよ。あたし、あんたの好きな人のこと知らないんだから」
「急に冷たくね?まあ、そうなんだけどさ」
好きな人が自分じゃない、ほかの女子にプレゼントを選んでるのに、冷たくならない女子がどこにいるだろうか。
「あ、これお前に似合いそう」
大川は黒いリボンがついたバレッタをあたしに合わせた。
不意打ちは嫌い。
心臓に悪すぎる。
「あ、あたしじゃなくて、あんたの好きな人に選ぶの!わかってる?」
「わかってるよ。でも、ここまでしてもらってなにもお礼なしってのは俺が嫌だからさ。なにか一つ、好きなの選べよ」
あー、もう。
せっかく気持ちを押し殺して友達を演じようって思ったのに。
これじゃ絶対に無理じゃん。
「じゃあ、それでいい」
「え、これ?」
あたしは大川の手の中にあるバレッタを選んだ。
理由は簡単なんだけど。
「あの、岡田さん……別のにしていただけません?いや気に入ったならいいんだけど」
「なんで?」
「俺の小遣いが……」
なるほど、高いのか。