輝く星に手を伸ばして
「じゃ、別のでいい」
そのバレッタが気に入ったわけじゃないし。
ただ大川が選んだってだけだから。
「サンキュ、助かる」
「その代わり、あたしに似合うもの選んで」
「は?なんで?」
「んー、あたしの誕プレ?」
まるで取って付けたような理由だけど、本当に誕生日が来る。
大川の好きな子の、次の日に。
「了解しましたよ、お姫様」
……この鈍感男に言ってやりたい。
勘違いさせるようなことするなって。
だけど、もうなにも言えなかった。
それくらい、緊張してきたんだ。
「あ、これはどう?」
そう言って見せてくれたけど、それすら目に入らなかった。
それに、大川が本気で選んでくれたなら、なんでもよかった。
「可愛いね、それでいいよ」
棒読みだったかもしれない。
大川もおかしいって思ったかもしれない。
でも、それ以外のいい返事が出てこなかった。