輝く星に手を伸ばして
なにが異性で一番仲がいい、よ。
うぬぼれもいいとこ。
本当に大川がそう思ってるか、聞いたことないのに。
「ありがとう。じゃ、俺早瀬の分選んでくる」
大川は一人で探しに行った。
あたしは手持ち無沙汰になったため、店の出入り口付近にある長椅子に腰掛けた。
あたし、こんな状態で気持ち、隠しきれるのかな……
ふと外を見ると、もう暗くなりつつあった。
腕時計を確認すると、針はもう五時を刺そうとしていた。
「もうこんな時間だったんだ……」
ここに来たのは四時。
一時間近く、この店にいたことになる。
正直、あっという間だった。
つまり、あたしは無意識に楽しんでたってことだよね……
しばらくぼーっとしていたら、やっと大川が来た。
「岡田、待たせて悪い。これ」
大川は包装紙で丁寧に包まれたプレゼントを渡してくれた。
「ありがとう。大事にするね」
なにかわからないプレゼントをカバンにしまい、立ち上がる。
「じゃあ、また明日ね」
あたしはなにかを言いかけた大川をあえて無視し、店をあとにした。
あのまま一緒にいたら、送るって言われそうで。
前なら嬉しいけど、今は嬉しくないんだ。
「あたしにもっと演技力があったらいいのに……」
そしたら、動揺したって顔に出さずに済む。
わかってるのに、あたしにはそれができないんだ。