輝く星に手を伸ばして
輝く星に手を伸ばして
あれから大川とはうまく話せてない。
話しかけられたら答える程度で、あたしからは全然話しかけなかった。
話しかけられなかったって、言い換えられるかも。
あまりあいつと話しすぎたら、今のあたしはなにを口走るかわかったもんじゃない。
そして、今日は早瀬さんの誕生日。
あたしには関係ないって言い聞かせてるのに、どうしても気になる。
放課後になって、久しぶりにあたしから話しかけることにした。
「大川。いよいよ今日だね」
「そうなんだよー。俺、昨日から緊張してんだよ」
「いい報告、期待してるね」
あたしはそれだけ言って、香苗たちのところに戻った。
香苗は今年同じクラスになった友達。
ほかにも何人か仲良くなった人がいるんだけど、みんなあたしと大川がお似合いだって言ってて。
だから、つい言ったんだ。
大川のことが、好きだって。
それ以来、みんないろいろと協力してくれていた。
それなのに。
あたしはみんなの親切心を踏みにじってしまった。
そして、もう自分の恋が叶わない。