クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
話して、離さないで
幹弥のマンションに足を運ぶことはもちろんなくなり、講義でも極力彼と関わらないようにして、やりすごしていた。
元々、大学でふたりきりになるというシチュエーションもめったにない。彼の周りにはいつも誰かがいたし。
今年最後の講義となる金曜日、講義が終わって、幹弥は弘瀬先生と話をしていたので、私は片づけをして、そそくさとその場を後にした。
とりあえず、今年を乗り切ったことに安堵する。幹弥を見るたびに、様々な感情が吹き荒れるけど、どれも必要のないものだ。
「よー、ユウ。お疲れ」
学生支援課に戻ろうとしたところで、一馬に声をかけられる。
「お疲れ様です、江頭先生」
私は真面目に頭を下げる。そのことに、一馬はやや居心地悪そうな顔になった。そして私との距離を縮めて、声のトーンを下げる。
「突然だけど、今日の夜空いてるか? ちょっと仕事のことで相談があるんだけど」
「相談じゃなくて、愚痴でしょ?」
ため息混じりに返すと、一馬は苦々しく笑った。
「まぁ、そうとも言うかもな。どうせ彼氏もいないんだし、久々にちょっと付き合えよ」
どうせ、は余計だ。でもその通りだし、十二月はボーナス期だったからなぁ。一馬の奢りなら、たまにはいいかもしれない。こういうときこその同期だ。
一馬との関係は昔からずっと変わらない。そのことにやきもきしたこともあったけれど、今はそれが有り難い。私は少し悩んでから、彼の誘いを受けることにした。
元々、大学でふたりきりになるというシチュエーションもめったにない。彼の周りにはいつも誰かがいたし。
今年最後の講義となる金曜日、講義が終わって、幹弥は弘瀬先生と話をしていたので、私は片づけをして、そそくさとその場を後にした。
とりあえず、今年を乗り切ったことに安堵する。幹弥を見るたびに、様々な感情が吹き荒れるけど、どれも必要のないものだ。
「よー、ユウ。お疲れ」
学生支援課に戻ろうとしたところで、一馬に声をかけられる。
「お疲れ様です、江頭先生」
私は真面目に頭を下げる。そのことに、一馬はやや居心地悪そうな顔になった。そして私との距離を縮めて、声のトーンを下げる。
「突然だけど、今日の夜空いてるか? ちょっと仕事のことで相談があるんだけど」
「相談じゃなくて、愚痴でしょ?」
ため息混じりに返すと、一馬は苦々しく笑った。
「まぁ、そうとも言うかもな。どうせ彼氏もいないんだし、久々にちょっと付き合えよ」
どうせ、は余計だ。でもその通りだし、十二月はボーナス期だったからなぁ。一馬の奢りなら、たまにはいいかもしれない。こういうときこその同期だ。
一馬との関係は昔からずっと変わらない。そのことにやきもきしたこともあったけれど、今はそれが有り難い。私は少し悩んでから、彼の誘いを受けることにした。