クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
「私は――」
「お断りするよ」
いきなり間に声が入って、私も一馬も驚く。慌ててうしろを振り向けば、いつの間にか私たちの間に幹弥が立って、こちらを冷酷な瞳で見下ろしていた。
「自分が学生を上手くかわせないからって、付き合ってやる? 冗談じゃない。彼女にはとんでもない役不足だ。ほかをあたれよ」
そこで幹弥が私に立つように促す。けれど、状況が理解できなくて私は呆然とするしかない。それに痺れを切らしたように、彼は強引に私を立ち上がらせた。
「ちょっと待てよ、桐生」
私ではなく一馬が制したけれど、幹弥は無視して財布から万札を取りだしカウンターに置く。一馬は唖然とするばかりだ。もちろん私も。
「幹弥くん」
そのとき、すがるような声が耳に届き視線を送る。幹弥と一緒に来ていた女性が物言いたげな面持ちで歩み寄って来る。そして、彼女がなにかを口にする前に幹弥が告げた。
「もう十分に付き合ったはずだよ。君は妹の友人だし、それなりの対応をしてきたけど、これ以上求めてくるなら、はっきりと拒絶の言葉を言おうか?」
冷たい声、凍りつくような笑顔だった。直接投げかけられたわけでもない私でさえ身をすくめる。言われた彼女は言わずもながだ。今にも泣き出しそうな顔になる。
そんな彼女にかまうことなく、幹弥は私の肩を抱いて店を出た。外に出ると、回されていた手は私の腕を痛いくらい強く掴み直し、振りほどくことを拒否する。
「お断りするよ」
いきなり間に声が入って、私も一馬も驚く。慌ててうしろを振り向けば、いつの間にか私たちの間に幹弥が立って、こちらを冷酷な瞳で見下ろしていた。
「自分が学生を上手くかわせないからって、付き合ってやる? 冗談じゃない。彼女にはとんでもない役不足だ。ほかをあたれよ」
そこで幹弥が私に立つように促す。けれど、状況が理解できなくて私は呆然とするしかない。それに痺れを切らしたように、彼は強引に私を立ち上がらせた。
「ちょっと待てよ、桐生」
私ではなく一馬が制したけれど、幹弥は無視して財布から万札を取りだしカウンターに置く。一馬は唖然とするばかりだ。もちろん私も。
「幹弥くん」
そのとき、すがるような声が耳に届き視線を送る。幹弥と一緒に来ていた女性が物言いたげな面持ちで歩み寄って来る。そして、彼女がなにかを口にする前に幹弥が告げた。
「もう十分に付き合ったはずだよ。君は妹の友人だし、それなりの対応をしてきたけど、これ以上求めてくるなら、はっきりと拒絶の言葉を言おうか?」
冷たい声、凍りつくような笑顔だった。直接投げかけられたわけでもない私でさえ身をすくめる。言われた彼女は言わずもながだ。今にも泣き出しそうな顔になる。
そんな彼女にかまうことなく、幹弥は私の肩を抱いて店を出た。外に出ると、回されていた手は私の腕を痛いくらい強く掴み直し、振りほどくことを拒否する。