クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
「そのとき彼女にちょっと気に入られたんだよ。迷惑な話だけれど、向こうの家も、うちと取引がある大きな会社だから、親からも言われたのもあって、あまり無下にできなかったんだ。でも、もう潮時だろ」
冷たい言い方に、なぜか私の方が不安になってくる。
「大丈夫なの?」
対する幹弥は、不敵に笑った。
「言ったろ。俺はもう親の言うことが絶対の子どもじゃない。今は、俺が跡を継がないって言えば困るのは親の方なんだ。そのくらいの実力と立場は身につけたつもりだよ」
「……頑張ったんだ」
自信家なのは昔からだけれど、きっとこの十年間で私の想像もできないほど、幹弥は色々なことを努力してきたんだと思う。そんなことを感じさせないのもやっぱり彼のすごいところだ。
自然と笑顔になる私から幹弥はわざとらしく視線をはずすと、軽く咳払いをした。
「ちなみに、大学のときに山下さんと一緒にいたのも、同じ理由。親が『山下のお嬢さんには、よくしておけ』ってうるさかったから。どうせ一年の付き合いだったし。プレゼントも親同士を含めて食事する機会があって、そのとき、無理矢理俺からって形で渡されたんだ。MILDともうちは懇意だったから」
そういえば、山下さんの家も大きな会社だって聞いていた。
「けれど、優姫にあげたネックレスは、MILDの新ブランドでIm.Mer(インマー)を立ち上げた彼にお願いして、特別に作ってもらったんだ」
思わぬ事実に、つい瞬きを繰り返す。私の元に返ってきてから、やはりつけることはしていないけれど、それでも大事にとってある。
冷たい言い方に、なぜか私の方が不安になってくる。
「大丈夫なの?」
対する幹弥は、不敵に笑った。
「言ったろ。俺はもう親の言うことが絶対の子どもじゃない。今は、俺が跡を継がないって言えば困るのは親の方なんだ。そのくらいの実力と立場は身につけたつもりだよ」
「……頑張ったんだ」
自信家なのは昔からだけれど、きっとこの十年間で私の想像もできないほど、幹弥は色々なことを努力してきたんだと思う。そんなことを感じさせないのもやっぱり彼のすごいところだ。
自然と笑顔になる私から幹弥はわざとらしく視線をはずすと、軽く咳払いをした。
「ちなみに、大学のときに山下さんと一緒にいたのも、同じ理由。親が『山下のお嬢さんには、よくしておけ』ってうるさかったから。どうせ一年の付き合いだったし。プレゼントも親同士を含めて食事する機会があって、そのとき、無理矢理俺からって形で渡されたんだ。MILDともうちは懇意だったから」
そういえば、山下さんの家も大きな会社だって聞いていた。
「けれど、優姫にあげたネックレスは、MILDの新ブランドでIm.Mer(インマー)を立ち上げた彼にお願いして、特別に作ってもらったんだ」
思わぬ事実に、つい瞬きを繰り返す。私の元に返ってきてから、やはりつけることはしていないけれど、それでも大事にとってある。