クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
「仕事、忙しい?」
どこか手持ちぶさたで声をかけると幹弥はカップに口をつけながら答えた。
「まぁまぁ。でも楽しんでるから心配ないよ」
彼がそう言うなら、嘘はないのだろう。そこで私は今更気になっていたことを聞いてみる。
「初めて大学の図書館で会ったとき、幹弥が五階まで足を運んだのは、CLT建設が使われてたから?」
あのとき答えてくれなかったから、謎のままだったけれど、再会したときに弘瀬先生から告げられた事実にピンときた。木材を利用した技術は、中からもその様子がよくわかる。当時はそこまで考えてなかったけれど。
「そうだよ。あくまでも参考にね」
あっさりと肯定され、ようやく腑に落ちる。そして、今度は幹弥が思い出したように話題を振ってきた。
「『Alle Liebe rostet nicht』は全部読めた?」
私は静かに首を横に振る。結局、幹弥との一件から、図書館には行けずじまいで、それは働きだしてからもだ。なによりあのシリーズは貸出し禁止だからあそこで読む時間もない。
「実家にあるから、今度貸してあげるよ」
幹弥の申し出に私は目を丸くした。
「集めたの?」
「元から家にあったんだよ」
その回答に私は首を傾げる。
「え、じゃあ、なんであそこで読んでたの?」
『これ、俺も読んでみたかったんだ』なんて言って、私が読んでいたのを、わざわざ取り上げてきたのに。私の問いかけに幹弥は呆れた表情になった。
どこか手持ちぶさたで声をかけると幹弥はカップに口をつけながら答えた。
「まぁまぁ。でも楽しんでるから心配ないよ」
彼がそう言うなら、嘘はないのだろう。そこで私は今更気になっていたことを聞いてみる。
「初めて大学の図書館で会ったとき、幹弥が五階まで足を運んだのは、CLT建設が使われてたから?」
あのとき答えてくれなかったから、謎のままだったけれど、再会したときに弘瀬先生から告げられた事実にピンときた。木材を利用した技術は、中からもその様子がよくわかる。当時はそこまで考えてなかったけれど。
「そうだよ。あくまでも参考にね」
あっさりと肯定され、ようやく腑に落ちる。そして、今度は幹弥が思い出したように話題を振ってきた。
「『Alle Liebe rostet nicht』は全部読めた?」
私は静かに首を横に振る。結局、幹弥との一件から、図書館には行けずじまいで、それは働きだしてからもだ。なによりあのシリーズは貸出し禁止だからあそこで読む時間もない。
「実家にあるから、今度貸してあげるよ」
幹弥の申し出に私は目を丸くした。
「集めたの?」
「元から家にあったんだよ」
その回答に私は首を傾げる。
「え、じゃあ、なんであそこで読んでたの?」
『これ、俺も読んでみたかったんだ』なんて言って、私が読んでいたのを、わざわざ取り上げてきたのに。私の問いかけに幹弥は呆れた表情になった。