クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
大学生活にも少し慣れてきて、五月病が心配されそうなGW明け。ゼミの交流会は、大学のすぐ近くの店を貸し切って行われた。
お座敷に長机と、どこか年代を感じたけど、値段は手ごろで料理も文句なし。テーブルの端に座って、隣になった細川真紀(ほそかわまき)と世間話をしながら盛り上がっていたとき、正面からふと声がかけられた。
「ユウ、ちゃんと友達作っておけよ」
「一馬……。あんたは私の保護者か」
呆れた顔で私は返す。江頭一馬。中学からの友人で、高校も、さらには大学同じという腐れ縁。顔は普通だが、そこそこ身長が高く、なにより面倒見がよかったので、クラスメートからも慕われていた。
大学進学と共に黒かった髪は茶色になっている。大学デビューというやつか、一馬め。
地元の大学に進学した私は、ちらほら顔見知りも多かった。でも、まさか一馬と同じ学科でさらには同じゼミに所属するとは思ってもみなかった。それは一馬も同じかもしれないけど。
「片岡さんってユウって名前なの?」
細川さんに指摘され、答えたのは私ではなく一馬だった。
「いや、こいつ優姫って名前なんだけど、優しい姫なんて書くからさ。姫なんて似合わないだろー。だから中学の頃から姫をとってユウって呼ばれてるんだよ」
そう言って呼び始めたのはあんたでしょ、というのはグラスに口づけて中身と共に飲み込む。ああ、またこの話か。
肩を落とすも、一馬のテンションは相変わらずだ。細川さんも、否定するわけでもなく笑っている。
お座敷に長机と、どこか年代を感じたけど、値段は手ごろで料理も文句なし。テーブルの端に座って、隣になった細川真紀(ほそかわまき)と世間話をしながら盛り上がっていたとき、正面からふと声がかけられた。
「ユウ、ちゃんと友達作っておけよ」
「一馬……。あんたは私の保護者か」
呆れた顔で私は返す。江頭一馬。中学からの友人で、高校も、さらには大学同じという腐れ縁。顔は普通だが、そこそこ身長が高く、なにより面倒見がよかったので、クラスメートからも慕われていた。
大学進学と共に黒かった髪は茶色になっている。大学デビューというやつか、一馬め。
地元の大学に進学した私は、ちらほら顔見知りも多かった。でも、まさか一馬と同じ学科でさらには同じゼミに所属するとは思ってもみなかった。それは一馬も同じかもしれないけど。
「片岡さんってユウって名前なの?」
細川さんに指摘され、答えたのは私ではなく一馬だった。
「いや、こいつ優姫って名前なんだけど、優しい姫なんて書くからさ。姫なんて似合わないだろー。だから中学の頃から姫をとってユウって呼ばれてるんだよ」
そう言って呼び始めたのはあんたでしょ、というのはグラスに口づけて中身と共に飲み込む。ああ、またこの話か。
肩を落とすも、一馬のテンションは相変わらずだ。細川さんも、否定するわけでもなく笑っている。